「Webサイトをリニューアルして見た目はきれいになった。それなのに、最近検索からの流入が減っている気がする。」そんな違和感を抱えていませんか?
いま、Googleの「AI Overviews」をはじめとした生成AIの普及によって、検索のあり方そのものが変わり始めています。
これからのWebサイトに必要なのは、人にとって魅力的なデザインだけではありません。AIにも「誰の、何の情報なのか」が正しく伝わること。今回は、AI検索時代に考えておきたい「LLMフレンドリー」なWebサイトについて解説します。
▼目次
1. 検索のルールが変わった。「AI Overviews」の台頭
これまでGoogle検索では、キーワードを入力し、検索結果に並んだWebサイトから答えがありそうなページを選ぶのが一般的でした。
しかし、その検索体験はいま変わり始めています。象徴的なのが、Googleの「AI Overviews(AIによる概要)」です。
検索内容によっては、AIがWeb上の情報を整理した回答を検索結果に表示。ユーザーは一つひとつのWebサイトを開かなくても、検索画面上で疑問への回答を得られるようになりました。

1.1. 「検索順位」だけを考えればいい時代ではない
Googleによると、AI Overviewsは200以上の国と地域で展開され、月間20億人以上が利用しています。さらに、AIとの対話を通じて複雑な情報を探せる「AI Mode」など、新しい検索体験も登場しています。
これまで「企業サイト SEO」と検索していた人が、「会社のホームページをリニューアルしたのに検索順位が下がったのはなぜ?」とAIに直接質問する。そんな検索行動が広がるなか、勘の良い担当者さまや経営者さまはお気付きかもしれませんが、企業側も「検索結果で何位になるか」だけでなく、その先を考える必要があります。
1.2. AIに「情報源」として選ばれるという視点
もちろん、AI検索が普及してもSEOが不要になるわけではありません。一方で、キーワードを盛り込むことだけを考えたSEOでは不十分です。
これからは検索エンジンに見つけてもらうことに加え、AIが回答を生成するときに、信頼できる情報源として理解・参照できるコンテンツを持つことも重要になります。
自社の実績や事例、独自調査、専門的な知見など、その企業だからこそ発信できる「一次情報」を蓄積していくことも、AI検索時代の重要な視点です。
2. 人間には「美しく」見えても、AIには「読めない」サイトの罠
Webサイトのリニューアルでは、写真やアニメーション、フォントなど、目に見える「デザイン」を重視することも多いでしょう。もちろん、人の心を動かし、ブランドの魅力を伝えるうえでデザインは欠かせません。しかし、人にとって美しいサイトが、そのまま検索エンジンやAIにとって理解しやすいサイトになるとは限りません。
2.1. 見た目だけのリニューアルに潜む落とし穴
たとえば、重要なメッセージを画像内の文字だけで表現している。アニメーションに依存してコンテンツを表示している。見出しと本文などのHTML構造が適切に整理されていない。人間ならレイアウトから「ここがタイトル」「これは会社の理念」と直感的に理解できます。
一方、検索エンジンやAIに情報を正しく届けるには、重要な内容がテキストとして取得でき、ページの情報が適切に整理されていることも重要です。見た目の演出を優先するあまり情報の構造が曖昧になると、人には伝わっている内容でも、機械には十分に読み取ってもらえない可能性があります。
2.2. AI検索での「接点」を逃す可能性も
問題は、単に「AIがサイトを読みづらい」ということだけではありません。
AIが複数の情報源から回答を組み立てる検索体験では、自社の事業や実績、専門的な知見を適切に扱ってもらえなければ、有益な情報を発信していてもユーザーとの接点を逃してしまう可能性があります。
時間やコストをかけてサイトを美しくリニューアルしても、情報がAIに伝わらなければ、その価値を十分に活かせません。
だからこそ、これからは「人からどう見えるか」と同時に、「機械からどう読めるか」まで設計することが重要なのです。
3. AIに正しく情報を伝える「LLMフレンドリー」とは?
では、企業サイトでは具体的にどのようなAI検索対策が必要なのでしょうか。そこで押さえておきたいのが、「LLMフレンドリー」という考え方です。
LLMとは「Large Language Model(大規模言語モデル)」の略で、生成AIが人間の言葉を扱うための基盤となる技術です。
LLMフレンドリーなWebサイトとは、簡単にいえば、人だけでなく機械にも「誰について、何が書かれているのか」が伝わりやすいよう、情報やサイト構造が整理されたWebサイトです。
3.1. AIにも「意味が伝わる」情報をつくる
たたとえば、「私たちは未来の可能性をデザインします」という文章だけでは、具体的に何をしている会社なのかわかりません。
一方、「企業・学校・病院などのWebサイトや広報誌、ブランドツールを企画・制作しています」と書けば、事業内容は明確になります。
大切なのは、AIのために不自然な文章を書くことではありません。人にとってわかりやすく価値のある情報をつくり、その意味を機械にも正しく伝えられる状態にすること。これがLLMフレンドリーの基本です。
3.2. 構造化データは、機械に意味を伝える「翻訳レイヤー」

機械に正しく伝える方法の一つが「構造化データ」です。Schema.orgなどの共通語彙と、JSON-LDなどの記述形式を使い、ページ上の情報が何を意味しているのかを機械へ伝えやすくします。
イメージとしては、
「ここは会社名です」
「ここは記事の執筆者です」
「これはFAQです」
と、Webサイトの裏側に「意味のラベル」をつけるようなものです。
人向けに作られたページの意味を機械にも伝える「翻訳レイヤー」と考えるとわかりやすいでしょう。
3.3. SEOとAIOは「二者択一」ではない
構造化データは、AIに情報の意味を伝えやすくする手段の一つですが、実装しただけでAIに引用・参照されるわけではありません。Googleも、AI OverviewsやAI Modeへの表示に、特別なSchema.orgマークアップは必要ないと説明しています。
つまり、AIO対策で重要なのは、特定の技術だけに頼るのではなく、サイト全体で「AIが情報を理解しやすい状態」をつくることです。
その土台となるのが、これまでのSEOでも重視されてきた基本的な取り組みです。読者にとって有益な情報や自社ならではの一次情報を充実させること。重要な内容をテキストで伝えること。HTMLを適切に整理すること。こうした取り組みは、AI検索時代にも変わらず重要です。
SEOからAIOへ切り替えるのではなく、SEOを土台に、AIにも理解・参照されやすい情報設計へと広げていく。これが、これからのAI検索対策に必要な考え方です。
4. なぜ「デザイン」と「システム」の両輪が必要なのか?
ここまで見てきたように、AI検索時代のWebサイトには大きく二つの設計が必要です。
一つは、ブランドの魅力を伝え、人の心を動かす「デザイン」。もう一つは、検索エンジンやAIへ情報を適切に届ける「システム」です。
Web制作会社にはそれぞれ得意領域があり、デザインやブランディングなどの「表側」に強い会社もあれば、CMS開発やシステム構築などの「裏側」に強い会社もあります。
しかし、これからのWebサイトでは、どちらか一方だけでは十分とはいえません。
どれだけ美しいWebサイトでも、検索エンジンやAIが情報を適切に取得・解釈できなければ、必要な人へ届く機会を失ってしまいます。反対に、システムが整っていても、コンテンツが読者の心を動かさなければ、ブランドの価値は十分に伝わりません。
人の感情を動かす表側のクリエイティブと、機械が情報を正確に解釈できる裏側の構造。AI検索時代には、この両輪を同じ目的のもとで設計することが重要です。
4.1. quip Designが17年の実績で培った「ブランドの視覚化」
quip Designは、17年の歴史と250件以上の実績を持ち、企業・学校・病院など幅広い領域の制作を手がけてきました。
クリエイティブディレクターが丁寧なヒアリングを通じて企業や組織が持つ価値を掘り起こし、取材・編集・コピー・写真・グラフィックなどを組み合わせたエディトリアルデザインによって「ブランドの視覚化」へとつなげます。
目指すのは、単に「きれいなWebサイト」をつくることではありません。企業や組織が持つ価値や「らしさ」を整理し、顧客や求職者をはじめとしたステークホルダーの心を動かす形へと落とし込んでいきます。
企業や学校、医療機関、商品・サービスなど、さまざまなプロジェクトで「らしさ」を形にしてきた事例は、quip Designのブランディング事例からご覧いただけます。
> quip Designのブランディング事例
4.2. LLMフレンドリーなシステムまでワンストップ
クリエイティブを技術面から支えるのが、テクニカルディレクターです。
Drupalなどの高度なCMSを案件に合わせて設計・カスタマイズし、更新性や運用性、セキュリティを考慮した堅牢なシステムを構築。さらに、HTMLや情報構造まで含め、検索エンジンやAIにも情報を適切に伝えることを意識した、LLMフレンドリーなWebサイトの土台を設計します。
quip Designの大きな強みは、こうしたクリエイティブとテクノロジーを別々の会社へ切り分けるのではなく、クリエイティブディレクターとテクニカルディレクターが連携し、ワンストップでWebサイトを設計できることです。
さらに、Webサイトだけでなく、広報誌やパンフレット・ブランディング・取材、撮影・ライティング・コンテンツ企画まで横断して対応しています。
人の心を動かす「デザイン」と、AIにも正しく情報を届ける「システム」。その両方の専門性を持ち、ブランドの価値を「人」と「AI」の双方へ届けられることが、quip Designならではの強みです。
なお、当サイト(qpqp.jp)自体も、DrupalをベースにLLMフレンドリーな構造を意識して構築しています。quip Designが手がけてきたWeb制作・システム開発の事例については、制作実績ページでもご紹介しています。
> quip Designの制作実績
5. まとめ|Webサイトを「未来に残るブランド資産」へ
いかがでしたでしょうか?
次世代の広報・オウンドメディアは、作って終わりではありません。
企業が持つ実績や事例、ストーリー、専門的な知見をWeb上に蓄積し、それらを人にもAIにも適切に届ける。そうすることでWebサイトは、一度掲載されて「消費される広告」ではなく、時間とともに価値が積み重なる「未来に残るブランド資産」になります。
人には、美しく、心を動かすものを。
AIには、わかりやすく、正確に伝わるものを。
これからのWebサイトには、そのどちらも欠かせません。
「リニューアルしたのに、思うような成果につながっていない」「自社サイトで、どのようなAI検索対策をすればいいのかわからない」。そんな課題があれば、Webサイトの「見た目」だけでなく、その裏側まで見直してみてはいかがでしょうか。
quip Designでは、ブランディングや広報誌・オウンドメディアの企画制作から、Drupalなどを活用したCMS構築まで、クリエイティブとテクノロジーの両面からWebサイトを設計しています。
自社サイトが「人には魅力的に、AIには正確に」情報を届けられているか、一度見直してみませんか?
現在、quip Designでは自社サイトの「LLMフレンドリー度・ブランド構造診断」を行っています。AI検索への対応やサイト構造に不安がある方も、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事を書いた人
quip Design
ライター・エディター
酒井 歩乃加
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